2011年07月07日

東北でのコンサート

3日から5日まで岩手と福島でコンサートをして来ました。

2日の夜10時に東京を出て、陸前高田に着いたのは朝8時。
機材と支援物資を積んで、明美ちゃんとゆりちゃんと私を乗せて、アメちゃんがずっと運転してくれました。アメちゃん以外は3人揃って誰も免許を持っていないので全く役に立ちませんf^_^;アメちゃん、ごめんね。

途中で車の中でほんの少し仮眠しましたが、縮こまるようにして寝るのは、体が痛いし辛いものですね〜。足を伸ばして眠るありがたさを改めて感じました。

陸前高田に着くと、まずは海岸辺りまで車で行ってみました。コンサートをする前に見ておいた方がいいと、アメちゃんが配慮してくれたのです。 

4月に南三陸に行った時よりは少しは片付いていましたが、でもまだまだ瓦礫だらけ。日曜だったせいなのか、瓦礫を片付けてる方はほとんどいなくて、いったいいつになったら片付くのだろうと、気が遠くなる感じでした。

2011陸前高田01.JPG 2011陸前高田02.JPG

ぺちゃんこの車が何台も何台も積み上げられ、駅だったらしいところにはかろうじてホームみたいなものが残るだけ。線路も捩曲げられ、線路が片方ないところもありました。巨木だったろうと思う木が、折れて立ち枯れています。キレイだったろうホテルも穴が空き、中はがらんどうになってました。水が引かないのでしょう。大きな沼みたいになっている場所もあって…。

南三陸の瓦礫の山を見た時のぐしゃぐしゃな感じより少し片付いたせいか、まるで映画で見る戦争の後みたいなイメージでした。

みんな言葉を失いました。
この惨状をしっかり目に焼きつけなくてはと…。311を忘れてはいけませんよね。まだまだ復興には程遠いことも、見た人はきちんと伝えなくてはいけないですよね。


陸前高田の第一中学校に着くと、体育館には段ボールで仕切られたスペースがあって、人の姿はまばらでした。
「昨日と今日で仮設に移った人が多くてね」玄関でおばあちゃんが教えてくれました。

陸前高田第一中学校は大きな避難所なので、いろいろなボランティアさんがいらっしゃいます。医療チームもいらしてます。
大阪の枚方の職員の方たちが、名物「いか焼き」を作って皆さんに配ってました。
ちゃぐちゃぐ馬こというお祭り?みたいな馬が二頭、かわいい男の子と女の子を乗せて、皆さんに披露していました。

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トイレ掃除をされてる女性たちも、避難所を回って掃除のボランティアをしてるそうで、京都からいらしているそうです。昨日で閉鎖した避難所が多いと話して下さいました。
移動イオンがトラック2台で来て、皆さんは必要な物を買いに行ってました。

朗読とコンサートの時間になり、まずは明美ちゃんが話して「存在」を朗読してから、コクーンの歌へと繋ぎます。

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皆さん、段ボールの壁から顔を出して聴いて下さいました。「傷だらけのエンジェル」を歌い出した時に、突然どこからともなくツバメが飛んで来て、8の字に旋回しながら鳴くのです。ひかるが応援に来たかなって私は勝手に思っていました。後で聞いたら、みんながそう思ったようです。

コクーンコンサートの後は名古屋のまなさんとひろさんのクリスタルボールの演奏。

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全てが終わると心の支援にと持っていった明美ちゃんの本とコクーンのCD、松山の化粧品会社の社長のかずちゃんからいただいた基礎化粧品を皆さんが取りに来て下さいました。

涙を流して…。いろいろなご自分の体験を話して下さいます。
動けないお母さんをおぶって津波から逃げてた息子さんがいらして、腰まで津波が来た時に、お母さんは「お前だけ、行け!!」と背中を叩いたとか。どんな覚悟で、背中を押したのでしょう。あっという間にお母さんは津波に飲み込まれたそうです。

お父さんがたまたま家の外にいて、津波が来るぞと言って、この道を駆け上がったから助かったけど、そうでなければ家とともに流されて死んでただろうと話して下さった女性がいました。家は目の前で流されていって、50年間築き上げて来たものが跡形もなく消えたと…。

仮設がまだ決まらないと話してくれたおばあちゃんは、仲良しの隣組がみんなバラバラの場所になることを悲しがってました。どうして住んでた町単位で同じ場所にしてくれないのかと。

下手なこと聞けないんだよと話してくれた方もいました。「ご主人は?」って聞いたら「津波で流されて…」と。何て言ったらいいかわからなくてねと…。

そんないろいろな話を聞きながら、私も何て言ったらいいのか…。ただ腫れ物に触るみたいにされるのも気持ち良くはなかったことを思い出しました。ひかるが亡くなった後、みんなはわかっていても私には何も言いません。でも、ゆりちゃんは初めて会った時に「息子さんを亡くされたそうで…」と真っすぐに話しかけてくれました。私にはそれが気持ち良かった。そう話したら、キラキラした目で頷いてくれました。


翌日はホテル花巻です。
畳の宴会場をホテル花巻さんのご好意で提供して下さいました。
避難所としては、ずいぶん暮らし安い環境だとは思いますが、そのせいかボランティアの方も少なく、コンサートなどはなかったとか…。
初めから、皆さんが喜んで受け入れて下さっていることが伝わって来ました。

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畳でリラックスして聴いていただけたこと、ステージ以外を暗く出来たことで安心して泣けたのでしょう。「震災で止まっていた時間がようやく流れ出した気がする」「震災後初めてこんなにリラックスしたよ」と言って下さいました。
終わった後でCDにサインをすると、泣きながら「あんたも辛かったね」と言って下さるのです。優しいのです。
皆さん誰かしら大切な方を亡くされています。悲しくても、みんなそうだから悲しいとも言えずに…。私たちの歌や明美ちゃんの朗読で泣いたことで、少しは心のしこりが溶けたらいいな。心の毒出しになったらいいな。
クリスタルボールの演奏は本当に気持ち良くて、体と心の浄化になったと思うのです。
CDと本を抱えて、ヒマはいっぱいあるから、ゆっくり聞くからとおっしゃってました。
「ヒマはいっぱいある」その言葉が悲しくて…。

岩手ではびわ灸をされているハンドルネームがココロのゆうこちゃんが、設定して下さいました。名前からしてご縁を感じてしまいます。誠実で優しい人柄が一目でわかる方です。避難所を回って、びわ灸のボランティアをされているそうです。


最後は郡山ビッグパレットに行きました。
こちらは原発事故で自宅から避難されて来た方たちです。
大きなドームみたいな場所に、病室のカーテンを思わせる布で仕切られたスペースが出来ていました。一人2畳あるかないかのスペースに物を置いたら、寝るのがやっとです。こんな環境で毎日なんて……、涙が出ます。

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こちらはボランティアさんが多く、コンサートも有名人がいっぱい来たらしいのです。
でも、仮設に移ると食事の配布が無くなるらしく、お昼のお弁当をと思って来た方たちが断られていました。名簿があってチェックするようになったから、もうもらえないとがっかりしていらっしゃいました。

機材やCDを並べていると、声をかけて下さる方も多いのです。

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こちらは本宮市役所に勤める友達がセッティングしてくれました。
他人の痛みを我がことのように思える優しい人で、震災の後は自宅が大変なことになっていても、皆さんのために駆けずり回ってました。

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コンサートが始まると、どこかから人が集まって来て下さいました。インストアライブを思わせる雰囲気で、段々と人が増えてきます。

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明るいし、泣いている顔がはっきり見えるので、私まで涙が出て…。もらい泣きしちゃう。
「だいじょうぶだよ」の歌では「だいじょうぶだよ、だいじょうぶだよ」と一緒になって歌って下さいました。

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終わると駆け寄って来て下さり、CDと本をもらって下さいました。「いろんな人が来たけど、あんた達のは誰とも違った。心に沁みたよ」「いろんなコンサート聴いたけど、最後までちゃんと聴いたのはあんた達のだけだ」涙しながら「あんたも苦労したね」って…。

「私も一番上の息子を生後8時間で亡くしてね。お父さんがずっと死んだ息子を抱いててくれたんだよ」そんなことをいろんな話して下さいます。
「人生はいろいろあるね。こんなことになるなんて思っても見なかったよ」って。本当に誰も思っても見なかった惨状です。

正直言うと、私は初めは「東北チャリティーコンサート」なんて言うと売名行為みたいで、どこかに変な抵抗がありました。でも、行って良かったと思います。やらないよりはやった方がいい。例え、それで何か言う人があったとしても。

高校生が集めてくれたカレンダーを、アメちゃんが支援物資として持ってきてくれたのですが、皆さん喜んで持って行きました。高校生も自分に出来ることをちゃんと動いているのです。仮設に移るとカレンダーも必要なんですって。
それから、グラフィックデザイナー5人が考えた紙一枚で作れる鳥も支援物資として持って行きました。

自分たちに出来ることで、やり続けなくてはいけない、そう強く感じて帰って来ました。
大きなことでなくてもいい、些細なことでもいい、やれることで支援し続けなくては。
東京にいるとほとんど311の爪痕を感じなくなっています。
でも、風化させてはいけないですよね。まだまだ苦しんでる方たちがいるのだから。

今回は明美ちゃんと明美ちゃんワークの主催者さんの片海ご夫妻がやっている「ほおずきの会」の収入を、このチャリティーコンサートに当てて下さいました。

ご報告とお礼を兼ねて、7月27日の会に参加し、8月21日の「ほおずきの会」でコンサートをします。
よかったら、いらして下さいね。
http://anatase.net/hoozuki.html

また、今回のツアーのために、松山でもカンパをいただき、朗読CD「いのちの花」をご購入いただいた分の利益も支援に使わせていただきました。みなさん、応援ありがとうございます。


ゆうこ


posted by cocoon at 13:20| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
明日は石巻「第88会・川開き祭」です。お天気はギリギリかな?慰霊祭となりますが、中瀬からの花火の花が添えられます。
Posted by ふとぷ at 2011年07月31日 16:21
ふとぷさん

お知らせいただき、ありがとうございます。
慰霊祭には伺えなかったけれど、心を飛ばしてます。

大雨じゃなくて、よかったですね。

石巻にコンサートに行かれてなくて・・・。気になってますが、きっと一番いいタイミングで全ては用意されてる気がします。

また、お会いしたいです。
Posted by コクーンゆうこ at 2011年08月01日 19:30
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